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青パパイアに懸ける

地域活性化へ一翼担う

(平成28年11月2週号 トップ)


201611_2%e2%91%a0  「今はあまりなじみのない青パパイアだが、普及を進めることで、新見市の健康づくりと地域活性化に役立てたい」と話す新見市の青パパイア栽培者の一人、佐々木義孝さん(63)。
 同市内では昨年から試験的に栽培が行われた。試験栽培を実施した5戸の農家で9月にNPO法人「杜の蛍火」(逸見孔一理事長)を設立。一年生の品種は5月に20㌃、苗200本を定植している。
 青パパイアは中南米が原産といわれ、国内では主に沖縄県や鹿児島県など比較的温暖な場所で生産されている。しかし近年、寒冷地でも育つよう改良され、さらに病害虫に強く農薬も不要。必要に応じて追肥を実施するだけで、イノシシよけの効果もあるということから注目されている。
 また、「食物酵素の王様」と呼ばれ、タンパク分解酵素(プロテアーゼ)、脂肪分解酵素(リパー
ゼ)、糖分分解酵素(アミラーゼ)が豊富で、抗酸化や抗がん作用なども期待できるという。味はほんのり甘く、火を通すことで、より甘味を増す。さらに味も香りも控えめなため、さまざまな料理に合い、特に豊富な分解酵素のかげで肉が短時間で軟らかくなる特徴をもっている。
 杜の蛍火メンバー・佐々木さんは、自宅近くの2カ所で青パパイアを栽培し、1カ所は遊休農地を借りてパパイア畑にした。当初、高さ25㌢だった苗が、現在は人の背丈を超え、太い幹の周辺に付
いた多くの果実の中から、重さが800㌘程度になった実を選び、一つ一つ丁寧にハサミを入れて収穫している。

 

201611_2②収量400㌔見込む

 青パパイアの収穫は10月下旬ごろまで続く。今年は約400㌔の収量を見込んでおり、1㌔500円で販売するほか、イベントなどでPRし普及を促進。さらに、葉をお茶に加工して、11月中旬以降に販売を予定している。
 「栽培に要する特別な知識・技術・設備投資の必要がなく、誰でも取り組みやすい。また、生産者を増やし、栽培面積を拡大することで耕作放棄地解消にもつながると期待している。今後はPR活動を積極的に推進し、大勢の方々に青パパイアを食べてもらいたい」と逸見理事長。「さらには、より多くの農家で栽培に取り組んでもらい、住民と地域に元気を与えていきたい」と意気込みを話す。