農業共済新聞
耕作放棄地拡大に歯止め 和牛放牧を拡充
【岡山支局】高梁市の農事組合法人西山維進会は、組合員10人、従業員2人で和牛成牛17頭、後継育成牛3頭を放牧。備中県民局からこのほど、獣害など地区の大きな問題となっている耕作放棄地への取り組みが認められ、「地域づくり推進賞」に選出された。
西山維進会の吉家仁代表(70)は、耕作放棄地の拡大を食い止めようと、2013年に法人を設立し放牧を開始。設立当時は2㌶の放牧地で和牛2頭を飼養していたが、今では合計12㌶にまで広げている。
放牧を始めると、耕作放棄地の野草を好んで食べる牛とそうでない牛がいることが分かり、NOSAI獣医師や農協、家畜保健衛生所にアドバイスをもらいながら、牛の入れ替えを積極的に行った。
吉家代表は「まずは放牧地を20㌶まで拡大したい。最終的には新規就農者が定着できる基盤を作り、今の活動を拡大できる環境をつくりたい」と話している。
(渡邉)