農業共済新聞
牛舎の暑熱対策にセラミック系遮熱塗料
屋根表面温度が17度低下
(令和4年4月2週号)
密着不足を防ぐため念入りに高圧洗浄して塗布
近年は夏場の高温が続き、午前中から35度を超える猛暑日が増えた。その中で、牛舎内の高温が毎年問題視され、より一層の暑熱対策が求められている。 一般的な対策は換気や送風などだが、「セラミック系遮熱塗料」で屋根を塗装し、太陽光を遮断することが効果的だ。 セラミック系遮熱塗料は、高額な初期費用が必要となるが、耐久性と耐熱性に優れ、効果は10年以上持続する。一度導入すれば長期の使用が可能だ。 牛舎の屋根をセラミック系遮熱塗料で塗装した吉備中央町の藤本実(ふじもとみのる)さん(49)は「牛舎内での体感温度が下がり、塗装前より涼しくなった」と話す。 施工前後の屋根の表面温度をサーモグラフィーで計測すると、施工前に比べ約17度下がり、屋根裏の温度は約12度下がったという。 暑熱ストレスは牛の食欲不振や、乳量・乳成分・繁殖成績の低下を招く。牛の不調を防ぎ、酷暑を乗り切るためには、夏本番を迎える前から対策に取り組むことが重要だ。
(後藤)