農業共済新聞
平成30年7月豪雨(続報)
家も農機具も流され田に土砂とアスファルト片
(平成30年7月4週号 特集)
【岡山支局】 6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に広い範囲で降り続いた記録的な大雨による「平成30年7月豪雨」災害。岡山県では、人的被害に加え、家屋や農作物に甚大な被害が発生した。岡山県のNOSAI団体では、被災現場に入れない地域がある中で、被害状況の把握と損害評価に全力を挙げている。県内で特に被害の大きかった倉敷市真備町で、水稲98㌃を耕作する小野金制(おのきんせい)さんの長男・広生(ひろお)さん(39)は、災害当時の様子や現在の心境について、次のように話している。
■間一髪で避難
まさかここまでの事になるとは、思ってもみなかったです。この地域では46年前に、周辺が浸かったことが一度あったそうですが、せいぜい床下まで。災害の少ない岡山県で、こんな大規模な災害は見たことがありません。
私の家は少し高い位置にあるので、当初、避難指示が出ていても割と大丈夫だろうという思いがありました。
ただ、家のそばを流れる小田川の支流が、午後8時の時点では水位が3分の2程度だったのが、午後11時には堤防の位置くらいまで上昇して、危機感を感じ避難しました。翌朝には、家の2階まで水に浸かっている状態で、本当に間一髪でした。
■途方に暮れる
私の家の田や農機具も、すべて水に流されてしまいました。田には多くの土砂やアスファルト片などが流入し、正直どのように再建すればよいのか見当がつきません。
地域の人たちは皆同じような状況です。年金暮らしで、農機具が流された方は、農業を廃業する人も多くいるでしょうね。
兼業で農家を営んでいる人たちも、近くの集荷場などで仕事をしている人が多いです。このような状況では、どのように生活を再建していけばいいのか途方に暮れる一方です。
(岡野)