農業共済新聞
低コスト・省力化の和牛繁殖
放牧や受精卵技術を活用 勝央町「いたたか牧場」
(平成30年9月1週号 短信)
【岡山支局】勝央町で「株式会社いたさか牧場」を経営する板坂義昭さん(50)は、妻の典子さん(38)と、経産牛18頭、育成牛15頭、子牛14頭を飼養し、放牧や受精卵技術(ET)を活用した低コスト・省力化の和牛繁殖経営に努めている。
岡山県の獣医師職員だった板坂さんは、10年前から和牛の飼養を始めた。初期投資を抑えるため、借り腹用として交雑種を導入し、牛舎はすべて手作りした。
当時は神戸から通勤し、勤務後に牛の世話をして帰宅する生活で、省力化が必然であった。
2016年に県を退職し、ETクリニックを開業、地域で受精卵移植を中心とした業務を行いながら増頭を進めてきた。
現在、水田2㌶、草地2㌶で母牛の粗飼料を自給しているが、今後の増頭に伴い、自給飼料の増産も視野に入れている。
今春帰郷し、同じく獣医師の典子さんと結婚、さらなる規模拡大を進める。「将来は100頭規模にし、耕種部門も拡大して、地域農業を支えられるようになりたい」と話している。
(白岩)