農業共済新聞
NOSAIへの加入は経営守る第一歩
全ての農家に補償を
(平成28年6月1週号 特集)
自然災害がいつ襲いかかるかは誰にも分かりません。農家がどんなに完全な管理、経営を行っていても自然の猛威に対抗するには不可能な場合があります。そのため、いざというときの保険が必要であるといえます。ここではNOSAIの任意加入ができる農作物に係る事業について紹介します。
① 畑作物共済
土壌湿潤害、獣害など
畑作物共済は大豆・ばれいしょを対象とする共済です。作付面積が5㌃以上であれば加入対象となります。畑作物共済の補償期間は発芽期から収穫するまでの期間となっています。加入方式は3種類あり、7~9割の間での選択となっています。被害については、土壌湿潤害や、獣害、雨害湿潤害が発生しており、その他にも風水害や病虫害がありました。
② 果樹共済
裂果や落果、枝折れも
岡山県の果樹共済は、ぶどう・ももを対象としています。栽培面積が5㌃以上であれば加入対象となります。果樹共済の補償期間は二つあり、一つは花芽の形成期からその花芽の果実を翌年に収穫するまでの期間、もう一つは発芽期からその年産の果実を収穫するまでの期間となっています。
加入方式は3種類あり、6~8割の間での選択となっています。被害については、長雨により果粒が肥大し裂果が生じたり、台風によって多くの落果、枝折れが発生したりしました。
③園芸施設共済
風害、雪害に注意を
園芸施設共済はビニールハウスやガラス室といった施設に関わる共済です。管理されているハウスの面積が200平方㍍以上であれば加入対象となります。補償期間は共済掛金を払い込んだ日の翌日から1年が基本となっていますが、被覆期間や栽培期間に合わせて短期の加入もできます。
加入方式はハウスの加入がベースですが、施設以外にも施設内の農作物や附帯施設をオプションでつけることができます。
被害については、風害でビニールが破れたり、雪害によってハウスがつぶれるなどの被害が発生しました。
昨年度から補償が拡充
時価ベースの補償の拡充、復旧費用の新設、撤去費用の対象拡大の三つが、2015年2月の制度改正により変更されました。
被害の際は速やかに連絡を
被害が発生した場合、速やかにNOSAIにご連絡していただきますよう、お願いします。被害確認ができない場合には共済金が支払われないことがあります。
こうした自然災害によって収穫量が減少し、補償されるべき金額を下回った場合に、その差額(共済金)を支払わせていただきます。
戸別訪問で加入推進
NOSAIの制度は「相互扶助」の仕組みを基本としています。農業災害は気象の変動など広域な被害を及ぼすことが多いことから、組合管内農家の掛金だけでは農家被害の損失を賄いきれない場合があります。農家一人一人が共済掛金という形で出資し、災害を受けた農家の損害分を埋めることを目的としています。
被害に遭った農家がNOSAIに未加入だったために補償が受けられないということがないよう、また、安心して農業経営が行えるよう、現在、県内のNOSAI職員は戸別訪問による全事業の普及推進を積極的に行っています。