農業共済新聞
熟練のノウハウで味に自信のハウス葉ワサビ
(平成28年3月3週号 準トップ)
鏡野町杉の坂手譲さん(82)は、自宅前のハウスで葉ワサビ(1棟)を栽培している。葉ワサビはワサビを通常の野菜と同じように畑で栽培し、葉をそのまま食用にしたもの。
坂手さんが葉ワサビの栽培を始めたきっかけは、町の第三セクターとして地域の特産品の開発なども行っている株式会社未来奥津から葉ワサビを栽培してみないかという依頼があったためだ。当時の県内先進地である奈義町で勉強し、2000年から栽培を始めた。
葉ワサビの種は、大きさが2㍉程度の小さいもの。均等に発芽させるのに、以前リンドウの苗を作っていた経験が大きく生きた。他にも低温処理による休眠打破や、ピートモスと砂の混合と発芽技術など、「年数を重ねたノウハウは安易にまねできない」と坂手さんは話す。
「なんといっても、パキッと折れる茎、萌木色になる葉、その状態のものをがじがじかんでみれば、うまいと実感でき、最高だ」と坂手さんは話す。できた葉ワサビは道の駅での販売や、未来奥津の商品などで使用されている。
未来奥津の山崎さんは「現在、葉わさびの醤油漬けや粕漬けなどの商品を生産している。今後も栽培講習会を行い、生産者を増やしていきたい」と話す。