農業共済新聞
事故への備えが大切
NOSAIの農機具損害共済
(平成28年3月1週号 特集)
トラクターなど、たとえ使い慣れている農機具を使う場合でも、周りに危険はたくさん潜んでいます。少しの気の緩みが大きな事故につながり、多額の修理費がかかって、思わぬ出費となることもあります。また、落雷や自然災害など予測が困難な事故も考えられます。NOSAIの「農機具損害共済」では、稼働中の大きな事故、火災、予測できない自然災害をはじめ、盗難まで幅広く補償しています。万が一の事故に備え、よく使用する農機具や、高価な農機具には「農機具損害共済」の加入をおすすめします。
春先は事故が多い傾向 全体の32%が発生
徐々に暖かくなり、春が近づいてきました。春は新しい生活、環境に期待や不安を持っている人が多いことでしょ
う。しかし、春という季節は農機具の事故の多い季節でもあります(図1)。
春先(4~6月)は44件もの事故が発生しています。これは、年間の事故合計件数の約32%に当たります。
2014年度の農機具損害共済の引受台数は6336台です。そのうち約2・2%に当たる138台に事故が発生し、総額約1800万円の共済金をお支払いしました。主な事故原因は、約7割が「接触・衝突」で、次いで「異物の巻き込み」が15%と稼働中の事故が多くなっています(図2)。
NOSAIでは特に使用頻度の高いトラクター、年に一度だけ使う田植機やコンバインまで、万が一の事故に備えて、ご加入をおすすめしています。
田植機の接触事故に注意 平均修理費は約10万円
12年度から15年度までに田植機の事故は22件発生しています。事故の原因としては、「接触」が最も多く、次いで「墜落」となっています(図3)。
田植機は年に1回しか使わない農機具のため、運転の感覚を忘れていることが多く、目測を誤り接触事故を起こすケースが見られます。また、田植機はトラックに積んで移動することが多い農機具です。積み降ろしの際に歩み板から外れ墜落するケースや、ロープの縛りが緩く移動中に墜落するなど、大きな事故が発生しやすい農機具でもあります。
また、田植機は構造が精密で外部からの衝撃に弱いため、接触事故によって発生した小さなゆがみが作業に大きく影響します。
そのため、他の農機具に比べ、修理費や調整費が多くかかる傾向にあります。1事故当たりの平均修理費用(全損を含まない)が約10万円を超えています(図4)。
田植機は使用頻度が少ないですが、たまにしか使わないからこそ事故に遭う可能性も高く、思わぬ出費となります。事故が起こる前にぜひ、加入をご検討ください。