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農業共済新聞

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気軽に立ち寄れる開かれた牧場へ

果樹農家と交流 商品開発で連携

(平成30年8月1週号 トップ)


  【岡山支局】目の前に瀬戸内の海が広がる風光明媚な立地を生かし、「開かれた牧場」を模索する倉敷市下津井の難波晃大さん(27)。「Sea Side Farm難波牧場」を経営するほか、今年11月にはアイスクリーム店を開業する予定だ。店に訪れる人たちに、牧場にも気軽に立ち寄ってもらいながら、地域に活気を呼ぼうとしている。
 
 酪農業は祖父の代から始まった。牧場は瀬戸大橋の西側に位置し、夕日の名所としても有名だ。海辺にある牧場は全国的にも少ない中、ここまで海のそばにあるのは珍しいという。
 そんな立地条件の中で、父の代には近隣の幼稚園や保育園の遠足などを受け入れ、牛とのふれあいによって地域になじんでもらえるように取り組んできた。
 「牧場って、一般の人たちにとっては気軽に立ち寄ってはいけない場所っていうイメージがあるんですよね」と難波さん。父が取り組む姿を幼い頃から見て、開かれた牧場に対する意識が自然と芽生えていった。
 自分が主体的に酪農を経営するようになり、何か特色を出そうと考え、倉敷には今まで無いものとして、原料から生産するアイスクリーム販売に目を付けた。
 当初は、今年5月開業を目指して、2年前から県の普及センターのアドバイスを受けながら計画を進めてきたが、なかなか思い通りには進まず、6月になってようやく店舗用地の造成許可が下りた。
 計画を進めていく中で、ほかの業種の人たちとの交流が増えた。倉敷地域でも栽培が盛んなモモ・ブドウ農家から、「連携して商品開発ができないか」と提案あり、より具体的な構想を広げながら今年11月の開業を目指している。
 「人に来てもらうためには、食べ物って欠かせませんからね」と難波さん。販売するアイスクリームをきっかけに、多くの人に来てもらい、生産現場である牧場を気軽に見てもらいながら、地域全体が活性化していければと夢は膨らむ。
 (岡野)