農業共済新聞
立地生かしたブドウ栽培が人気
ベテラン講師が実践指導
(平成30年6月1週号 準トップ)
真庭市では、農業に興味を持つ人、市場や直売所への出荷を目指して取り組む人を対象に、「真庭いきいき帰農塾」を実施している。市や県・農協を構成団体として2005年度に開講、これまでに約300人が受講した。栽培技術の取得や農業経営の安定を目標に、生産から出荷まで学習できる。
本年度受講中の宮田春夫さんは「帰農塾の経験を通していいものを作りたい。いいものを作れば後から売り上げはついてくる」と意欲的に取り組む。
受講コースは野菜、果樹、花きがあり、本年度から市内で生産が盛んな「トマトコース」が加わった。
ここ数年はブドウ栽培の講義を行う「果樹コース」に人気がある。ブドウの生産が市内全域で可能で、寒暖差を生かした長期的な出荷が可能な点も人気の理由だ。
帰農塾に参加して4年目の赤田稔治さんは「ブドウの栽培は楽しい。何度も帰農塾で経験を重ねられる。質問も適宜できて、理論的に学べる」と話す。
果樹コースの講師を務める真庭農業普及指導センターの原田総括副参事は「1年間を通して、ブドウの生産ができたという自信をつけてほしい。今後、栽培面積を増やしてもらい、将来は受講生が地域の中心的な農家になってほしい」と期待する。
塾長の佐藤敏明農業振興課長は「農業は楽しむことが大切。帰農塾は、実践的な現地研修と高い技術を持つ講師陣が、農業未経験者から就農者まで幅広い対応ができるのが強み。それぞれが目指す農業の実現に向かって夢を持って頑張ってもらいたい」と話している。