農業共済新聞
「ウラルカンゾウ」栽培本格化
産地化へ初めの一歩
(平成28年5月3週号 準トップ)
高梁市有漢町では、町内有志5戸で構成する「有漢地域薬草生産組合」が、遊休農地を活用した「ウラルカンゾウ」の栽培を今年から始める。
カンゾウは作業負荷が少なく、薬用作物として高付加価値が望める。
高梁市では、担い手不足による遊休農地の増加を解消するため、2015年に市とNPO法人ワークネットおかやま(有漢事業所)、民間事業者2社の計4者が連携協定を締結。薬用植物の栽培実証を行っている。
生産組合の代表を務める大月孝之さんは、先陣を切る形で、4月12日、20㌃の休耕田に1万200本の苗の植え付けを行った。
「先陣を切ったことで、今後植え付けを行う他の会員の見本になれば」と話す大月さん。実証栽培で浮かび上がった霜害の課題も、大型扇風機2台を使用することで解消。「ここまではなんとか順調」と手応えを感じている。今後会員農家全体で1㌶、5万本の苗を6月にかけて植える計画だ。
「栽培事例が少ないため、今後も除草作業や追肥など手探りの栽培が続くが、実証栽培の状況を参考に組合員と試行錯誤しながら、産地として根付くことを目標にしたい。また、現在の会員を中心に農事組合法人化など栽培体制の強化にもつなげたい」と大月さんは意気込みを話している。